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Posted by 滋賀咲くブログ at

2011年06月22日

第18回環境史研究会【報告要旨】

「石庖丁からわかること」
       
                         武末 純一(福岡大学・考古学)

 今回の発表では石庖丁から何が分かるかを述べた。中でも非農業集団(山村・海村)の摘出や石庖丁の生産と流通の解明を主眼とした。それには未成品と使用廃棄品の明確な区別や確かな編年が必要で、あまり変化しない二孔とその周辺部の様相を検討した。貫川の石庖丁は日本最古の磨製石庖丁で、定着には失敗した農業文化を示す。曲り田は自給自足的な生産の定点となり香月遺跡群は立岩遺跡の専業的段階のあいだの半専業的な段階に位置する。安永田の石庖丁では、立岩産石包丁が通常の使用限界値を超えて長く使われたのである。
  


Posted by shin2 at 11:08研究会結果

2010年01月03日

第118回人文地理学会歴史地理研究部会(報告要旨)

昨年11月に行いました標記の研究部会の報告要旨が下記の研究部会ブログでアップされましたので,ご興味ある方は,ダウンロードしてご確認ください.

http://histgeog.exblog.jp/

また,この同様の報告要旨は,次号の人文地理学会誌でも掲載される予定です.  


Posted by shin2 at 17:02研究会結果

2008年12月29日

第16回環境史研究会報告内容

 先日実施しました報告内容の要旨をアップします.

■宮本 真二(琵琶湖博物館:地理学)
 「ナミブ砂漠,クイセブ川中流域に分布する河成堆積物の評価」

本研究では,乾燥・半乾燥地域における第四紀末の詳細な古環境変動を復原することを目的に,①細粒物質の堆積時期の特定,②堆積環境の解明のため,河成細粒堆積物が分布するナミブ砂漠,クイセブ中流域域のホメブ(Homeb)を研究対象地域に設定した.
 その結果,数千年間における時間幅で,河成堆積物が堆積していることが判明し,半乾燥地域における湿潤期の存在が推定された.


■辻 広志(国際文化財(株):考古学)
「琵琶湖周辺の旧河道の時期とその評価(予察)」

野田沼遺跡の第1次調査において,3時期の旧河道が砂堆上より発見された.このような旧河道を湖岸近くの調査より探すと,湖南地域に偏るが特定の幾つかの同時期に収束し,シルト等の堆積物で埋積する同様の状況が5遺跡で散見された.これらは,河床を下刻していた河川が埋積されてしまい,上昇した琵琶湖の水位の影響で蛇行して広く溢れ出し,新たな流路の固定と共に埋積が及ばなくなった河川跡と見る事が出来る.何故この様に湖岸の旧河道は同時多発性なのか,気候と琵琶湖の水位変動が大きく関係しているものとみられる.


■森山 宗保(近江八幡市・協働政策部:考古学)
「琵琶湖東岸の沖積平野を対象とした考古学研究の現状と展望」


これまで野洲川下流域平野をフィールドに遺跡の立地環境について研究を重ねてきたが、琵琶湖東岸の沖積平野にフィールドにおいても調査方法が有効であるか検討した。新しいフィールドのこれまでの遺跡の調査状況と地形環境の特徴をまとめ、その結果、埋没微地形分析がこれまで以上に有効であることが提示した。
  


Posted by shin2 at 08:45研究会結果

2008年11月04日

第15回環境史研究会報告

 先日実施しました,標記研究会の報告要旨です.


松永 光平(立命館大学・実助:自然地理)
「中国黄土高原の侵蝕をめぐる人と自然の関係史試論」 

中国黄土高原における過去1万年間の自然環境と人間活動それぞれの変化、および両者の関係について、歴史地理学と地質学両分野の研究成果を統合し、仮説を提示した。


赤石 直美(立命館大学・PD:人文地理)
「旧土地台帳・地籍図を用いた災害研究の可能性」

 過去の土地利用を復原する際に活用されてきた「土地台帳」とその付属地図である「地籍図」を用いて、近代の災害被災空間を復原し、災害からの復旧・復興過程を解明することが本研究の目的である。事例として、昭和10年に京都市とその周辺で起こった水害と、昭和8年の三陸津波を取り上げた。その結果、「土地台帳」における「荒地免租」の記述に着目することで、被災空間がある程度復原された。ただし、台帳での記載方法をはじめ、いくつかの問題点があり、今後は災害復旧の実態を踏まえつつ、近代の人々の災害への対応を検討していく必要がある。
  


Posted by shin2 at 09:51研究会結果

2008年04月28日

第14回環境史研究会の報告

先日実施しました第14回環境史研究会の発表内容を以下に記します.

丸山真史(京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程:動物考古学)
「中・近世の都市における動物利用とその変遷」
動物は食料、原料、労働、思想など、人間の生活と深くかかわっており、その利用形態を通して食生活、骨角器の利用という人間の生活文化を読み解く。西日本の中世、近世遺跡から出土する動物遺存体の分析から、動物利用の実態とその変遷を明らかにする。これまで主流となってきた文献史学や民俗学とは別に、考古学的な視点から、実際に消費された動物遺存体を扱うことで、より実証的に消費が論じられ、生産、物流にも視野を広げることで、消費の特徴に理解を与える。

古関大樹(滋賀県立大学大学院人間文化学研究科博士後期課程:歴史地理学)
「河川の移動と低湿地景観の変化 −滋賀県愛知川・大中の湖周辺を事例として」
大中の湖周辺は守護六角氏の観音寺城が近接し、織田信長の安土城や守護代伊庭氏の本拠が面するなど、中世後期には近江地域における政治の中心舞台として機能した。同湖の持つ歴史的性格を考えるにあたり、琵琶湖と隔てていた砂洲を二枚の近世絵図と地籍図で観察する。近世初期には堆積がさほど進んいなかった様子がみえ、近接する愛知川には16世紀中頃に移動したという伝承が残る。約5km北の大規模な旧河道群から主流路が移ったことを契機に急速に砂洲が発達し、中世後期には同湖は琵琶湖最大の内湾であったと再評価できる。  


Posted by shin2 at 11:40Comments(0)研究会結果