2011年06月22日

第18回環境史研究会【報告要旨】

「石庖丁からわかること」
       
                         武末 純一(福岡大学・考古学)

 今回の発表では石庖丁から何が分かるかを述べた。中でも非農業集団(山村・海村)の摘出や石庖丁の生産と流通の解明を主眼とした。それには未成品と使用廃棄品の明確な区別や確かな編年が必要で、あまり変化しない二孔とその周辺部の様相を検討した。貫川の石庖丁は日本最古の磨製石庖丁で、定着には失敗した農業文化を示す。曲り田は自給自足的な生産の定点となり香月遺跡群は立岩遺跡の専業的段階のあいだの半専業的な段階に位置する。安永田の石庖丁では、立岩産石包丁が通常の使用限界値を超えて長く使われたのである。



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Posted by shin2 at 11:08 │研究会結果